2012年6月、檀家制度廃止!なぜ、現役住職が全部話すのか 「お寺の収支報告書」祥伝社新書より好評発売中!

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お坊さんが明かす あなたの町からお寺が消える日(洋泉社)
橋本英樹 (著)
2016/8/3発売 価格:¥ 1512

はじめに -書籍について-

日本にお寺がいくつあるのか、ご存じでしょうか?
じつに七万五千九百あまり。その数はコンビニエンス・ストア
(約五万三千店)をはるかにしのぎます。
しかし、そのお寺がじわじわと姿を消そうとしています。
「檀家が減って維持できない」 
「後継者がいない」
こういった理由で、常駐する住職のいないお寺は、
すでに一万二千六十五ヵ寺に増え、お寺全体の約16パーセントにのぼります。
(2015年10月11日・「朝日新聞」。主要九宗派に対する調査による)。
少子高齢化や大都会への人口流出などによって、
2040年には全国の自治体の49.8パーセントが
消滅する可能性があるとされています(日本創生会議の発表による)。
これと軌を一にして、お寺の四割近くが消滅するという予測もあります。
(日経BP社『寺院消滅』による。)
お寺がなくなると、何が困るのでしょうか?
これまで、先祖代々の墓がある菩提寺は檀家の葬儀・法事を執り行い、
お墓をしっかり管理してきました。
菩提寺と檀家の絆は、葬儀・法事とお墓によって
成り立っていると言っても過言ではありません。
ところがお寺がなくなると、墓地の管理が行き届かなくなります。
府¥檀家の先祖代々のお墓を見守る者もいなくなり
すぐに荒れ果ててしまうでしょう。
また菩提寺の住職がいなくなったら、葬儀や法事は誰に依頼したらいいのでしょうか?
遠く離れた実家の菩提寺と、日頃から連絡をとっている人はめったにいません。
ですから連絡してみたら、お寺が消滅していたということにもなりかねません。
葬儀・法事の小型化・簡略化が進むなか、経済的に立ち行かなくなるお寺は、
これから数年のあいだで急速に増えていくでしょう。
また消滅しないまでも、檀家目当ての「乗っ取り」がすでにお寺同士で起こっています。

本書では、お寺の消滅が、いったいどんな理由で起こっているのかを探ります。
江戸時代依頼の「檀家制度」が、お寺と人々の関係をどう変えたのか?
長引く不況とデフレのなかでも「お布施」はなぜ下がらないのか?
「お葬式とお墓」に対する人々の価値観はどう変化したのか?
現役の住職である私がみずからの例を明かしながら、
寺院消滅時代を招いた背景に迫ります。
しかし、お寺が衰えていくいっぽうで、あらたなチャンスを得て
急成長するビジネスもあります。
僧侶を自由に選んで葬儀や法事を依頼できるアマゾンの「お坊さん便」を筆頭に、
インターネットが日本独自の「葬式仏教」というお寺のビジネスモデルを
揺るがしています。「お布施」が定額明示され、檀家というしがらみなしで
僧侶を呼べるサービスが人気を博しているのです。
こうしたあたらしい動きが明らかになった「今、お寺に求められているもの」を、
お寺が生き残っていくためのヒントとして示していきます。
そして、寺院消滅時代をサバイバルしていくために、
多くの人々から選ばれるお寺になることをめざした、私が住職を務める
曹洞宗の寺院・見性院(埼玉県熊谷市)の「改革」もご紹介します。
見性院はいくつかのことを手がけてきました。そのなかでも、最も大きな改革は
「檀家制度の廃止」でしょう。
なぜ、檀家制度をやめなければならなかったのか?
具体的にどう進めたのか?
檀家制度をやめて、なぜ、以前よりも信徒が増えたのか?
だれもが疑問に思うことを、できるだけつぶさに記しました。
見性院とお付き合いのある。四〇〇軒弱の古くからの檀家さんたちに
大きな波紋を投げかけてこの改革は、今なお進行中です。
周到な準備を重ね、覚悟を決めてスタートしたのですが、
日本仏教の伝統に一石を投じるものだけに、一筋縄では行きません。
おかげさまで私のものとには、お墓やお葬式について全国から悩みや相談が
寄せられるようになり、文字どおり「駆け込み寺」となっております。
私が投じたのは、まだまだ小さな一石でしかありません。
しかし、少なくとも、
「お寺との付き合いをどうしよう?」
「将来お墓をどうしよう?」
「そもそもお布施とは何なのか?」
などと、仏教の本質を問い直すきっかけを、多くの方々にもたらすことができたと実感しています。
少子高齢化の結果として、現役世代が担う故人の葬儀が増えていく
「多死時代」が到来しています。
葬儀や法事が簡素化される傾向にあるとはいえ、故人を供養したいという気持ちは古来、
変わりはありません。ですから現役世代は、何らかのかたちで
個人の葬儀と向かい合う必要があります。
本書が、葬儀屋お墓のこと、そしてお寺やお坊さんとの付き合いについて、
あらためて前向きに考えるヒントになれば幸いです。
そして、「葬式仏教」だけでなく、「善く生きるための仏教」を志すお寺も身近にあることを、
多くの方々に知って頂けるよう願ってやみません。
(「はじめに」より) 

本書の構成

第一章 日本人とお寺の関係はこうしてできあがった

-エリートたちの学問、天皇のための祈り
-末法の世、庶民のための仏教が栄えた
-伝来後一五〇年ほどして葬儀にかかわる
-「葬式仏教はこうして誕生した」
-お寺を自由に選べなくなった「寺請制度」
-江戸町人のお寺とのかかわり方は?
-戒名はもともと個人に授けるものではなかった
-寺子屋の教育が日本の近代化を支えた
-明治維新がもたらした大打撃「廃仏毀釈」
-お寺はいつから「家業」になったのか?

第二章 昭和・平成の寺院と日本人

-戦後の「農地改革」で大打撃を受けた寺院
-末寺から本寺に戻れなかった父
-誇らしかった本堂の再建
-「お寺の子」の定番進学コース
-永平寺で三年間の修業を積む
-アメリカで日系寺院にヒントを見つける
-高度成長で息を吹き返しバブルに踊った僧侶たち
-葬祭業の発展に寺院が飲み込まれる
-副住職は「ハケン」のお坊さん
-「寺院崩壊」の足音が近づいてきた
-檀家制度が寺院崩壊の元凶に

第三章 住職になってからの一〇年改革

-住職一年生、檀家と向き合う
-「戒名」が持つ本当の意味を考えるべき時代
-葬儀・法要の簡素化が止まらない
-墓地経営というビジネスモデル
-「改葬」や「墓じまい」が増えている
-檀家制度をやめたら信徒が増加した
-お布施から値下げして定額明示する
-葬儀から墓地分譲まで、お寺がワンストップで
-セレモニー・ホールとは違う「本堂葬儀」の感動
-あらたな信徒組織「随縁会」を発足
-旧来の檀家さんたちの戸惑い
-周辺の寺院や曹洞宗の反応は?
-僧侶自身が変わっていくべき時代

第四章 これからの時代の日本人と寺院が歩む道

-「駆け込み寺」に寄せられる相談とは?
-空前の「多死時代」がやってくる
-アマゾン「お坊さん便」が浮き彫りにしたもの
-「葬式仏教」で最高のサービスを
-故郷のお寺は大丈夫?「乗っ取り」も増えている
-全国のお寺の一六パーセントから住職が消えた!
-行き詰まり感が見える後継者選び
-お寺と副業-「檀家が多ければ安泰」ではない!
-経済的に自立できるお寺を増やしたい
-見性院がめざす開かれた「みんなのお寺」
-今こそ本物の仏教を伝えるチャンス
-禅の境地を伝え、しなやかな心を育む
-仏教会を変えていく超宗派グループ「善友会」

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