2012年6月、檀家制度廃止!なぜ、現役住職が全部話すのか 「お寺の収支報告書」祥伝社新書より好評発売中!

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はじめに -書籍について-

葬式仏教、離檀(りだん)料、永代(えいたい)使用料、
寺檀紛議(じだんふんぎ)、本末(ほんまつ)制度……仏教のお金と制度。
なぜ現職住職が、すべてを話すことになったのか。
元凶は「檀家制度」だった! 

宗教法人が行政に提出する【収支計算書】【財産目録】などを初公開! 

私は、埼玉県熊谷市にある見性院というお寺で住職をしています。
見性院は、曹洞宗寺院です。いわば禅寺です。
禅寺と聞いて、みなさんはどのようなイメージを浮かべるでしょうか。
禅問答をして、師匠が弟子を一喝する光景ですか
歴史小説で見るような、まともな禅問答ができるような知識をもった禅僧は、
残念ながら、いまやほとんど皆無といっていいでしょう。
あったとしても、形式的なものです。
何人もの若い僧侶たちが、朝から坐禅、清掃、調理の修行に励み、
夜は消灯まで仏教書を読みふけっている光景ですか。
しかし、そんな姿があるのも、一部の修行道場、一部の修行僧だけです。
その他おおぜいの僧侶は、一年ほどの修行期間が終われば、
それぞれ実家のお寺に戻って、修行なんてさっぱり忘れてしまいます。
父の跡を継いで住職になると、現世の特権者をふるまい、
我欲の道を邁進するようになるでしょう。
ですから禅寺とはいっても、ほとんどのお寺は、
他宗の仏教寺院となんら変わりがありま
せん。
檀家からのお布施を当然のものと考え、
それを自分が得た収入であるかのようにカン違いしています。
高級車を乗りまわし、ゴルフ三昧、ひどい場合は、
ギャンブルや酒色におぼれているのです。
そして、立派な袈裟をつけて、檀家の前で大言壮語し、反論した人には
地獄へ落ちろといい、内面の貧しさを虚勢で包み隠そうとしています。
私じしん、そういった「腐れ坊主」と同じ穴のムジナです。
自己嫌悪におちいる毎日でしたが、これでいいわけではありません。
なんとか失わずにいた良心というものにしたがって行動することに決めました。
二〇一二年六月、見性院は、長く続いた檀家制度を廃止しました。
この決断は、大きな賛否を巻きおこします。
外側の人たちからは、「よくやった」という声、
その一方で、近隣の同門寺院からは、村八分でした。
それから二年を過ぎましたが、ようやく檀家制度から脱却した私の視界は、
驚くほど澄んでいるのです。
なぜ、檀家の制度が、諸悪の根源なのでしょう。
これまで長く檀家をつとめてくださった方に怨みがあるわけではありません。
どれほど感謝しても尽きないほどです。それでもやめなくてはならないのは、
この制度そのものが多くの不幸をもたらしているからです。
寺院が檀家から搾取するというのが、檀家という制度の本質です。
仏教や宗派が、お寺やその住職が、信者たちから搾取する前提など、
許されるわけがありません。
また、仏教や宗派、お寺や住職たちが、真の自立を得るには、
何よりも檀家の解放、まずここからスタートします。
本書は、仏教界を堕落させているお金や制度の問題について、
内側を知る立場から隠すことなく述べ、
みなさんにいっしょになって考えていただくために書かれました。
この出版をもって、過去の懺悔とし、
また、将来の活動に向けた決意の表明とさせていただきます。

寺門衰退元年
(「はじめに」より) 

本書の構成

第一章 なぜ、お寺は世襲なのか?

誰もいないお寺 / あまり意味のない『宗教法人法』
宗教法人の二重構造 / なぜ住職は、やりたい放題なのか
いまが、第三の危機 / お寺が家業 
本当に優秀な人は、住職なんて継ぎたがらない / ダメ住職、増殖中 
結局、なり手がいない / お寺の子 
本堂が再建された日 / 世田谷学園から駒澤大学へ
永平寺の修行 / 四年間のアメリカ留学で学んだこと 
ダメ坊主は、チェンジしよう / 僧侶の心得 

第二章 「葬式仏教」は、“悪"か?

葬祭と墓地──「葬式仏教」を支えているもの
葬祭業者の錬金術 / 「葬式芸者」の悲哀
よく知られていない、戒名の本当の意味 / 戒名を授けるという特権 
いまの戒名制度は、「反仏教的」 / なぜ戒名の差別は、なくならないのか 
信士家と居士家 / お葬式の簡略化に、歯止めがかからない
その人らしい送られ方 / 安い墓地は、けっして安くない 
墓地経営という特権 / 「○○寺墓地」にご用心 
墓地よりも、墓石を売るのが目的 / 永代(えいたい)使用料と永代供養料、何が違う?
イメージ先行の樹木葬 / 先祖供養をしないと、祟(たた)る?
「葬式仏教」だから悪いのではない 

第三章 仏教という、すごい収益システム

拝観料の、どこが宗教行為か / お寺がやることは、すべて非課税か
仏教腐敗の元凶、寺檀(じだん)制度
お寺のなかの階層化──本末(ほんまつ)制度
本寺が、末寺からお金を得る二度の機会 
研修を五回受けたら、階級が上がる? / 僧階(そうかい)と墨染(すみぞめ)の衣
ついに檀家の制度をやめる / 宗派を離れる 
見性(けんしょう)成仏(じょうぶつ)と曹洞宗 / 曹洞宗は、なぜ二つに分裂しなかったのか 

第四章 自由な信仰をとりもどす

収入を何に使うか / 課税は、宗教弾圧か
日本人の信仰は、もっと自由 / 墓質(はかじち)と離檀(りだん)料 
お寺が稼(かせ)ぐのは、悪いことか / 何のために収入を得るのか 
上求(じょうぐ)菩提(ぼだい)と下化(げけ)衆生(しゅじょう)
新しい仏教の制度──隨縁会と善友会

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